円安の日本。これから為替はどうなっていくのか?
2025年現在、円安が長期的に続いています。経営にどのような影響をもたらすのか、改めて整理します。
円安は「日米金利差」で起きている
アメリカはインフレ対応で高金利、日本は賃金定着待ちで低金利。この差が資金の流れを決め、円安を起こします。
経済学では「円安 → GDP増」が基本
円安になると輸出が伸び、生産が増え、GDPが押し上がるというのが教科書的な考え方です。
しかし現実の日本では「輸入コスト上昇」の影響が強い
原材料・燃料・食品などの輸入比率が高いため、円安は仕入とコストに直結します。
ここで、中小零細企業に「二極化」が起きている
つまり「二極化」はこう発生している:
外需とつながっている企業(輸出 / 越境EC / インバウンド) ↑ 円安が追い風 内需依存で、価格競争が激しい企業 ↓ 円安が逆風
しかし、本当の分岐点はそこではありません。
本当の境界線はこれです:
「値段を決める側の企業」か
「値段を受け取る側の企業」か
ここで 中小零細ほどハッキリ差が出やすい。
その結果、現場ではこうなっている
- ある会社は 前年比 +20% の利益回復
- ある会社は 同じ売上でも利益が消える
「市場は同じ」でも、構造が違うだけで結果が反転する。
まさに「この2極化が中小零細企業の業績にくっついている」という実感は、核心を突いています。
円安は「チャンスかピンチか」ではなく、
「価値を誰が決めているか」で結果が分かれる。
中小企業の二極化は、為替ではなく
“値決め力の有無” がつくっている。
では、中小企業はどう動くべきか?
① 原価と為替影響を「見える化」する
勘ではなく、数字で。
② 値決めのルールを持つ
「値上げ」ではなく「価格方針」。
③ 外需チャネルを一つだけ持つ
輸出・越境EC・インバウンドのうち、どれか1つでOK。
まとめ
- 円安は日米金利差により短期で戻りにくい
- 教科書では円安はGDP押し上げ要因
- しかし日本は輸入構造により企業間で影響が逆転する
- 分岐点は「値決めする側」か「値決めされる側」か
- 中小企業はまず「構造の可視化」と「価格戦略」から始めるべき