支援の現場で、ここ数年とくに増えている相談があります。
「売上は落ちていないのに、利益が残らない」
「忙しさだけが増えて、経営が楽にならない」
この悩み、個別の努力不足や経営センスの問題として片づけられがちですが、
実は業界構造そのものが原因になっているケースが少なくありません。
とくに重要なのが、固定費が高く、成長が遅い業界ほど競争は激化するという点です。
競争が激しくなるのは「会社のせい」ではない
競争が激化する理由はシンプルです。
逃げられないのに、市場が増えないからです。
固定費が高い業界では、売上が多少落ちただけで利益が吹き飛びます。
人件費、設備、家賃、システム費用。止めたくても止められない支出が、毎月発生します。
一方で、成長が遅い業界では、市場全体のパイがなかなか大きくなりません。
新規需要が増えない以上、売上を伸ばすには既存市場の奪い合いになります。
固定費が高い業界で起きやすい行動
固定費が高いと、企業の意思決定は自然と似通ってきます。
- 稼働率を落とせないため、値下げしてでも受注
- 粗利が薄くても、仕事を断れない
- 利益よりも、売上確保を優先
結果として、業界全体が価格競争に引きずられます。
これは経営判断のミスというより、構造に沿った合理的な行動とも言えます。
「忙しいのに儲からない」は構造のサイン
この状態が続くと、次のような悪循環が起きやすくなります。
- 値下げ → 粗利減少
- 粗利減少 → 人材育成・改善投資ができない
- 現場疲弊 → 品質低下・離職
- 固定費上昇 → さらに損益分岐点が上がる
ここまで来ると、どれだけ現場が頑張っても、
既存事業の延長線上で楽になる可能性は低いのが現実です。
だから新事業は「必ず必要」になる
固定費が高く、成長が遅い業界ほど競争は激化する。
この構造が変わらない以上、戦い方を変えるしかありません。
新事業は「余裕ができたらやるもの」ではありません。
消耗戦から抜け出すための、必須の経営課題です。
弊社Plow株式会社では、既存事業に依存しない経営体質をつくるため、
毎年1つ以上、既存事業とのシナジーを前提とした新事業の構築を
継続して行っています。
ここでいう新事業は、派手なゼロイチや別会社設立を意味しません。
次のどれかに当てはまれば、十分に新事業の入口です。
- 売る相手を変える(顧客セグメントの変更)
- 提供価値を変える(作業提供 → 成果提供)
- 収益モデルを変える(単発 → 継続)
- 売り方を変える(紹介依存 → Web・仕組み化)
新事業が失敗しやすい理由
新事業が進まない会社には、共通点があります。
- 社長の頭の中に構想があるだけ
- 忙しさに負けて後回しになる
- 毎回オーダーメイドで属人化する
これはやる気の問題ではなく、設計不足です。
現実的に進めるための考え方
新事業は、小さく始めて、数字で判断することが重要です。
- まずは既存事業の粗利が出ている部分を言語化する
- 競争が少ない狭い市場に絞る
- 最低限の型(メニュー・価格・手順)を作る
- 受注率・粗利率・工数で判断する
新事業とは、「当てにいく博打」ではなく、
勝ちやすい条件を集めていく作業です。
まとめ
固定費が高く、成長が遅い業界ほど競争は激化する。
これは個々の会社の問題ではなく、業界構造の問題です。
だからこそ、新事業は「やれたらやる」ではなく、必ず必要な経営課題。
既存事業だけに依存しないことが、消耗戦から抜け出す現実的な一歩になります。
新事業の方向性で悩んだら
既存事業の粗利構造整理から、新事業の設計・標準化まで、実務目線で伴走します。
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