中小零細企業は今、完全に二極化が始まっている。
伸びる会社は伸びる。沈む会社は、音もなく沈む。
業種の差よりも、地域の差よりも、社長の人格論よりも、「会社の運用の仕方」で差がついている。
あなたの会社は、どっち側ですか。
※煽りたいわけではありません。早めに現在地を把握した方が、修正が効くから書きます。
二極化って、何が二つに分かれているのか
二極化と言っても、売上が多いか少ないかだけの話ではありません。
現場で見えるのは、だいたいこの3つです。
- 粗利が残る会社と、売上だけ動いて粗利が残らない会社
- 資金繰りに余裕がある会社と、毎月ヒヤヒヤする会社
- 改善が回る会社と、問題説明だけ上手くなる会社
要するに、二極化の正体は「利益」と「キャッシュ」と「改善スピード」です。
伸びる側の会社に共通すること
伸びる会社は、特別な才能があるわけではない。やっていることが地味で、でも速い。
1)売上より先に「粗利」を守っている
値引きで売上を作るより、粗利を守る設計を優先します。
売上が増えても赤字が増える会社は、だいたいここでつまずきます。
2)固定費を「体重」だと思っている
固定費が重いと、少しの外部変動で倒れます。家賃、リース、外注、サブスク、広告、保険。棚卸しを年1ではなく、必要なら月次でやる。
3)意思決定が速い。検証も速い
完璧に当てにいかない。小さく打って、数字で判断して、外したら捨てる。
伸びる会社は「当てる力」より「外した時に戻る速さ」が強い。
4)やらないことが決まっている
人が足りない時ほど、全部やろうとすると死にます。
捨てる仕事を決める。そして、残した仕事を太くする。
沈む側の会社に多い症状
厳しいですが、ここを直さないとずっと苦しい。
1)売上依存。粗利が薄いのに突っ込む
「売上さえ上がれば何とかなる」になっている会社は危ない。売上は上がる。疲労も増える。キャッシュは残らない。
2)会議が反省会。原因探しで終わる
誰が悪い、何が悪い、景気が悪い。ここで止まると改善は回りません。
必要なのは原因の正しさではなく、次の一手です。
3)数字が見えていない。見ていても使えていない
月次試算表が来るのが遅い。見ても売上しか見ない。粗利と固定費とキャッシュがつながっていない。
4)月次試算表を見ない。使途不明金が放置される
毎月の月次試算表は必ずチェック。これは伸びる側の最低条件です。
逆に沈む側は、月次試算表を見ない、見ても眺めるだけ、そして使途不明金が残る。
よくあるのが、「その支出の中身は社長しか分からない」状態。これが続くと、社内の信頼も数字も崩れます。
実例:使途不明金が「社長しか分からない」状態
月次を見たら、毎月同じ科目から同じ金額が落ちている。でも中身が誰も説明できない。
社長は「必要経費」の一言で終わる。これ、会社が弱ります。数字もチームも。
やったのは単純で、科目を分解して、支出ルールを決めて、月次で必ず確認しただけ。
“見えない支出”が消えると、まず資金繰りの不安が減ります。
5)決めたアクションが実行されない
これが一番キツい。
改善は共同作業です。実行されないなら、どんな良い計画も紙のままです。
あなたはどっち? 10秒チェック
まず現在地。感覚ではなく、項目で見た方が早い。
黒字側に寄っているサイン
- 粗利率が把握できていて、値引きにルールがある
- 固定費の内訳を説明できる(家賃、外注、サブスクなど)
- 月次試算表を毎月チェックし、使途不明金を放置しない
- 月次で「粗利・固定費・キャッシュ」を見る
- 打ち手を3つに絞り、担当と期限が決まっている
- 外した施策を捨てられる(続ける理由が説明できる)
赤字側に寄っているサイン
- 売上の話が中心で、粗利が後回し
- 忙しいのに、お金が残らない
- 資金繰り表がない、または更新されない
- 月次試算表を見ない/使途不明金が残る(社長しか分からない支出が多い)
- 会議が「説明」で終わり、決まったことが実行されない
- 打ち手が増え続けて、結局どれも中途半端
※どちらか一方に完全に当てはまる必要はありません。「今どっち寄りか」が大事です。
二極化に飲まれないための「無骨な優先順位」
やることは山ほどあります。だから順番が命。
優先順位1:粗利を守る(値上げと整理)
- 不採算取引は値上げ、条件変更、撤退のどれか
- 値引きは「理由」と「期限」をセットにする
- 売れ筋に寄せ、商品を増やしすぎない
優先順位2:固定費を軽くする(毎月の体重を落とす)
- サブスクや外注を棚卸しして、目的が曖昧なものは止める
- 設備投資は回収の筋が見えるものだけにする
- 人が足りないなら、まず「やらない業務」を決める
Plowも危機を経験した。だから「構造改革」しか信じない
偉そうに言っていますが、Plowも一度、経営危機を経験しています。
その時にやったのは根性論じゃない。2年かけて固定費を1/3まで落とし、ビジネスモデルを大きく構造改革しました。
実例:固定費を1/3に落とすまでにやったこと
- まず可視化:固定費を「必要/要検討/不要」に3分類。当時、社長は現場把握のため連日会社に泊まり込みで洗い出しました。
- 契約の見直し:サブスク・外注・リースを全件棚卸し(目的が曖昧なものは停止)
- やらないことを決める:売上に直結しない業務を削る(守る業務だけ残す)
- モデル変更:単発・薄利の仕事を減らし、継続・高粗利の比率を上げる
派手なことはしていません。見える化→整理→継続を2年やっただけです。
結果、会社の体質が変わった。売上の波に振り回されにくくなった。
※だから私たちは「計画を作る」だけで終わらせません。運用して、数字が変わるところまでやります。
優先順位3:月次で回す(改善の回転数を上げる)
二極化の勝敗は、結局ここで決まります。
- 先月の数字を確認(粗利、固定費、キャッシュ)
- 今月の打ち手を3つに絞る
- 担当と期限を決める
- 来月、結果で続けるか捨てるか決める
支援の現場でよく起きる話
二極化が進むほど、外部環境は厳しい。だからこそ「外のせい」にもなる。
でも、ここで止まると沈む側に寄ります。
外部要因は認める。だけど、打ち手は自分の手元に戻す。
これだけで、会社は踏みとどまれます。
最後に。あなたはどっち?
二極化は始まっています。逃げられません。
なら、選ぶしかない。
「今のままでも何とかなる」側か、「今のうちに作り直す」側か。
答えは、数字と行動が出します。
伴走支援のご相談
二極化の“沈む側”に寄りそうなポイントを、数字で見える化し、打ち手を3つに絞って回します。ご相談はフォームからお願いします。
https://pl-ow.com/contact/
※本記事は一般的な情報提供です。個別事情により最適解は変わります。現状の数字と運用状況を見た上で、実行可能な打ち手に落とし込みます。