経営改善計画は認定支援機関へ相談すべき理由|返済が重い会社がまず取るべき行動
「返済が重い」「資金が増えない」「金融機関に相談しにくい」──
多くの中小企業が抱えるこの悩みは、経営改善計画によって解決できる可能性が高いものです。
しかし、いざ相談しようと思っても、どこに依頼すれば正解なのか分からないという声は非常に多くあります。
その答えが認定経営革新等支援機関(通称:認定支援機関)です。
本記事では、認定支援機関とは何か、経営改善計画を依頼するメリット、相談すべきタイミング、そして支援の具体的な流れまで、専門的な内容を分かりやすく解説します。
認定支援機関とは?
認定支援機関とは、中小企業庁が公式に「中小企業の経営改善をサポートできる専門家」として認めた機関のことです。
税理士・会計士・金融機関・コンサル会社などが該当しますが、登録には厳しい基準があります。また個人ではそこまでですが
法人の場合3期の決算書を提出し、財務体制、黒字化否か等非常に厳しい制限があります。
認定支援機関の主な役割
- 経営改善計画の策定支援
- 資金繰り改善・返済条件見直しの支援
- 金融機関との調整・伴走支援
- 補助金申請のサポート(ものづくり補助金・事業再構築など)
- モニタリング(計画実行支援)
特に経営改善計画(405事業)や早期経営改善計画は、認定支援機関しか支援できません。
つまり、中小企業の資金繰り改善において、認定支援機関は「唯一の公式相談先」です。
経営改善計画を認定支援機関に依頼すべき理由
① 金融機関が“唯一信頼する外部専門家”だから
銀行は、経営改善計画を外部相談するとき、税理士やコンサルではなく認定支援機関を最も信頼します。
理由は、認定支援機関が「中小企業庁から認定された公的な立場」だからです。
また、認定支援機関が作成した改善計画は、別途活性化協議会という公的機関のチェックを受けながら作成するという特徴があります。
② 返済条件の見直し(リスケ)がスムーズになる
経営改善計画の大きな目的は返済負担の軽減です。
認定支援機関は銀行側の視点も理解しており、現実的な計画を作成できるため、交渉がスムーズに進みます。
③ 補助金を活用して計画策定費用を抑えられる
経営改善計画(405事業)は、国の補助により費用の2/3を補助できます。
実質負担が抑えられ、中小企業でも依頼しやすい制度です。
④ 実行支援(モニタリング)までサポートしてくれる
計画を作って終わりではありません。
認定支援機関は、半年〜3年にわたって伴走支援を行い、計画の実行をサポートします。
経営改善計画が必要になる会社の特徴
- 黒字なのに現金が増えない
- 返済額が利益を超えている
- 借入が増え続けている
- 運転資金が足りない
- 税金や社保の納付が遅れがち
- 売上はあるのに資金繰りが苦しい
上記のうち1つでも当てはまる場合、早期に相談すべき状態です。
経営改善計画の具体的な進め方
1. 現状分析(決算書3期+試算表)
BS・PLをもとに財務状態を確認し、資金繰り・返済能力・債務超過の有無などを評価します。
2. 資金繰り改善の方向性を決める
粗利改善、固定費削減、返済条件の見直しなど、改善のポイントを絞ります。
3. 金融機関との交渉方針を作成
返済額の調整や借換の提案を行い、複数行がある場合は全体の調整も行います。
4. 経営改善計画の作成
3~5年の収支計画、資金繰り、売上改善策、返済計画をまとめた正式な計画書を作成します。
5. 金融機関へ提出・共有
認定支援機関が立ち会い、銀行と協議しながら計画を確定します。
6. モニタリング・伴走支援
計画実行のフォローを継続し、進捗確認を行います。
認定支援機関に依頼する際の費用
経営改善計画(405事業)の費用目安は以下の通りです。
- 小規模企業(売上1億円未満):おおむね150万円以内
- 中規模企業(売上10億円未満):おおむね300万円以内
補助金が適用されるため、企業の実質負担は大幅に抑えられます。
まとめ:経営改善計画は認定支援機関に早期相談が最善
資金繰りが苦しい、返済が重い、黒字なのに現金が増えない──
こうした悩みは、放置すると突然の資金ショートや税金滞納につながり、取り返しのつかない事態に発展します。
経営改善計画は、会社の再スタートを切るための公式の仕組みです。
そして、その支援を実施できるのは認定支援機関だけです。
早めに専門家へ相談し、会社の資金繰りを立て直し、未来に向けた戦略を固めましょう。
「返済が重い」「相談しにくい」「どの制度が最適か分からない」という方は、以下よりお気軽にご相談ください。