返済額が利益を超えると会社はこうなる|返済負担を軽くする具体的な方法
「利益は出ているのに、なぜかお金が残らない」「売上は伸びているのに資金繰りが苦しい」
そんな会社に共通している大きな原因の一つが、返済額が利益を超えている状態です。
返済は損益計算書(PL)には載らないため、表面上は黒字でも、返済によってキャッシュが毎月減っていきます。
この状態を放置すると、突然の資金ショートや税金滞納につながり、経営が大きく揺らぎます。
本記事では、返済額が利益を上回ると会社に何が起こるのか、そして返済負担を軽くするための具体的な方法を、認定支援機関であるPlowが分かりやすく解説します。
返済額が利益を上回ると起こること
① 黒字なのにキャッシュが減る
最も多い誤解が、「黒字=お金が増える」という考え方です。
実際には、利益は帳簿上の数字であり、返済はキャッシュアウトとして会社から現金が出ていきます。
たとえば、
- 利益:50万円
- 毎月の返済:70万円
この場合、会社は毎月20万円のキャッシュが減ることになります。
つまり、黒字でも資金繰りが苦しくなる典型的なパターンです。
② 資金繰り表では“赤字”が続く
PLでは黒字でも、資金繰り表では毎月マイナスが続くため、現預金が右肩下がりになります。
これが半年〜1年続くと、
- 支払サイトが長い会社 → 仕入れの支払いが追いつかない
- 賞与支給月に資金ショートが起こる
- 税金(特に消費税)で一気に詰む
といった状態になり、経営が非常に不安定になります。
③ 銀行の“印象”が悪化する
返済が重すぎると、資金繰りが不安定になり、銀行から見た会社の信用度が下がります。
特に、
- 預金残高が減り続ける
- 短期借入が増え続ける
- 税金・社保の滞納が始まる
これらは銀行の内部で“資金繰りが悪化している”サインとして認識されます。
④ 税金支払いでトドメを刺される
多くの会社が「最後に詰む」のが、消費税の支払いです。
返済負担が重い会社ほど、
- 利益は出ている(ように見える)
- キャッシュは減る
- 消費税は重い
という状態になりやすく、年度末に一気に資金が尽きるケースが非常に多いです。
返済負担を軽くするための方法
① まずは「現状把握」:利益と返済のバランスを見る
返済が重い場合、最初にやるべきことは、
「利益(営業利益 or 営業CF)と返済額のバランスを数値化する」
ことです。
具体的には、次の指標が重要です。
- 返済負担率=年間返済額 ÷ 営業利益(または営業CF)
この割合が、
- 100%超え → 要注意(資金が確実に減る)
- 70〜100% → 重い(要相談)
- 50%以下 → 健全
という感覚です。
② 経営改善計画を使って返済額を見直す
返済額が利益を明らかに超えている場合、最も効果的なのが経営改善計画(405事業)です。
これは、国の補助金を使って計画を作り、金融機関と返済額を見直す公式の仕組みです。
主なメリットは次の通りです。
- 返済額を一時的に下げられる
- 資金繰りが安定する
- 銀行と前向きな関係に戻せる
- 計画策定費用の2/3が補助される
つまり、返済が重すぎて資金繰りが不安定な会社にとって最も効果の高い制度です。
③ 税金・社保への影響を先に押さえておく
返済負担が重い会社ほど、消費税・法人税・社保の支払いで詰まりやすい。
だからこそ、経営改善計画では、
- 税金の支払いタイミング
- 粗利の改善
- 販管費の削減
- 投資回収のペース
など、“本業の利益とキャッシュを増やす施策”を同時に組み立てます。
④ 銀行に直接行く前に、第三者と整理する
返済の相談を銀行に直接すると、
「この会社は資金繰りが危ない」
と思われるリスクがあります。
そのため、まずは認定支援機関などの第三者に相談して現状を整理し、正しい戦い方を決めることが大切です。
Plowなら、返済負担の軽減と経営改善計画をワンストップで支援
Plow株式会社は、認定経営革新等支援機関として、多くの中小企業の経営改善計画・資金繰り改善を支援してきました。
また、実業(メーカー事業)も営んでいるため、机上論ではない“現場感のある改善案”を一緒に考えます。
Plowのサポート内容
- 決算書3期分からの現状分析
- 返済負担の数値化(返済負担率の算出)
- 資金繰り改善の方向性策定
- 経営改善計画書の作成
- 金融機関との調整・面談同席
- 計画実行のモニタリング(3年)
- 利益拡大支援(3年)
返済が重くなり、資金が減り続ける状況に悩む会社ほど、早い相談が効果的です。
まとめ:返済額が利益を超えたら、資金が減るのは当然。対策は早めに
返済額が利益を超えると、黒字でもお金が減り続けます。
これは社長の努力ではどうにもならない構造的な問題であり、返済の見直しが必要な状態です。
経営改善計画は、返済負担を軽くし、資金繰りを安定させ、会社の再スタートを切るための国の公式制度です。
「返済が重い」「資金が減っている」「次の支払いが不安」という方は、まずは現状を整理し、最適な選択肢を一緒に考えましょう。