税金・消費税が払えない会社がまずやるべきこと｜倒れる前の3つの処方箋
「消費税が払えない」「予定納税が重すぎる」「法人税を払う余裕がない」──
いま、中小企業でこの悩みを抱える会社が急増しています。
特に消費税は、売上が伸びた会社ほど負担が大きくなり、資金繰りを一気に圧迫する“落とし穴”です。
そして最も危険なのは、税金の滞納が銀行評価に大きな悪影響を与えるという事実です。
税金を払えない状態を放置すると、倒産リスクが急上昇します。
本記事では、税金や消費税が払えない状態の会社が、倒れる前に何をすべきかを、認定支援機関であるPlowが徹底的に解説します。
税金・消費税が払えないのは、珍しいことではない
多くの社長は「税金を払えないなんて恥ずかしい」と思いがちです。
しかし、私たちが支援してきた会社でも、税金の支払いで詰まりかけた会社は非常に多いです。
特に次のようなケースは頻発しています。
- 売上が伸びたが、利益が伴わない（消費税だけ重くなる）
- 返済負担が利益を超えているためキャッシュが残らない
- 前年に投資をしたため利益が薄いのに消費税だけ重い
- 赤字でも消費税は発生する（預り金のため）
まず理解すべきは、税金を払えなくなるのは珍しい話ではないということです。
そのうえで、間違った対処をすると危険な状態に陥ります。
税金・消費税を払えないと何が起こるのか
① 銀行の信用度が急激に下がる
銀行は必ず通帳を確認します。そして、融資を受ける際には納税証明書の提出が必ず必要です。
そのため、税金の遅れや分納は銀行内部で“資金繰りが厳しいサイン”として判断されます。
通帳の動きを見れば、次のような点がすぐに分かります。
- 法人税の引落が遅れている
- 消費税を分納している
- 社保が遅れている
これらは銀行内部で信用低下のシグナルとして扱われます。
② 新規融資・借換が通りにくくなる
税金滞納＝資金繰りが危険、と判断されるため、新規融資や借換に強い悪影響が出ます。
特に運転資金が必要な会社ほど、融資が受けにくくなります。
③ 最終的には「差押え」リスクが発生する
税金は最強の債権です。
銀行よりも税務署が優先されるため、次のような差押えが可能です。
- 預金口座
- 売掛金
- 不動産
一度でも差押えが入ると、銀行の信用はほぼゼロに近くなり、融資はほぼ不可能になります。
倒れる前にやるべき3つの処方箋
税金が払えない状態は、放置するほど悪化します。
しかし、正しい順番で対処すれば、立て直しは可能です。
処方箋① まずは「現状の資金繰り」を即座に見える化
税金が払えない会社のほぼ100％が、資金繰りを感覚で管理している状態です。
最初にPlowが行うのは、資金繰り表の作成です。
- 今月・来月・3ヶ月後の支払い予測
- 消費税の納付予定
- 返済額の見直しが必要かどうか
これを作るだけで、何に詰まっているのかが一気に可視化されます。
処方箋② 税務署には「早めに分納相談」する（怖くない）
税務署は敵ではありません。
実際には、税務署は“払う意思がある会社”には柔軟に対応してくれます。
ポイントは以下の通りです。
- 分納は普通にできる
- 半年〜1年の分納も可能
- 無理な金額は強制されない
- 誠実に相談すれば柔軟に対応される
最悪なのは、払えないのに黙っておくことです。
相談しない＝支払う意思がない、と判断されます。
処方箋③ 経営改善計画で返済と税金のバランスを整える
税金が払えない会社の多くは、銀行返済が利益に対して重すぎる状態です。
この場合、最も効果的なのが経営改善計画（405事業）です。
経営改善計画を活用すれば、
- 返済額を一時的に下げられる
- 資金繰りが安定する
- 税金支払いを無理なく計画に組み込める
- 費用の2/3が補助される（国の制度）
つまり、税金が払えずキャッシュが減っている会社にとって、最も現実的な再生ルートです。
Plowが支援した“税金で詰まりかけた会社”の改善事例
【事例】売上増で消費税負担が跳ね上がった製造業A社
- 売上は伸びたが利益が薄い
- 消費税だけ重く、資金が枯渇
- 返済額が利益を超えていた
Plowの対応：
- 資金繰り表の作成で問題を可視化
- 税務署と分納相談の提案
- 経営改善計画により返済額を一時調整
→ 半年後には資金繰りが安定し、次の投資が可能になるレベルまで改善。
まとめ：税金が払えないと感じたら、すぐに相談を
税金・消費税が払えない状態は珍しいことではありませんが、放置すると一気に悪化する非常に危険な状態です。
特に、税金滞納 → 銀行評価低下 → 融資停止 → 資金ショート はよくある流れです。
早めの資金繰り整理と、適切な返済・納税計画の見直しが会社を守ります。
Plowは税金・返済・資金繰りを総合的に整理し、最適な改善方法を一緒に考えます。
